筋にできるトリガーポイントの中でも筋膜部分について述べましたが、 さらに高い頻度で形成される部分があります。 それは筋が骨に付くところです。 柔らかい筋肉と固い骨という性質の違うものが接合するので強いストレスがかかることに加え、筋肉を収縮するたびに常に働く部分ですので頻繁に刺激されやすいといえます。この部分を「筋骨接合部」と呼んでいます。 表層の筋の場合は容易に触れますが、深層の筋の場合には触るのに技術を必要とします。 また点ではなく面積を伴うので鍼で刺激する際にある程度の本数が必要になります。 そして表面から触れない分、骨を指標とした解剖学的な知識が必須です。 また筋の付くエリアには個体差があり解剖学の本によっても異なるので それらを踏まえた、より専門的かつ詳細な解剖学的知識が必要になります。 これらを勉強するのはとても大変ですが、この「筋骨接合部」を施術するようになり、 施術の効果が格段に上がりましたから苦労する価値は十分にあるかと思います。 |
トリガーポイントはどこにできるのでしょうか? 筋膜・腱・靱帯・関節包などです。 このうち臨床的に大切なのが筋膜と腱です。 筋膜とは一つの筋肉を1本のソーセージに見立てると、肉を包む皮の部分にあたります。 中身の肉の部分(筋繊維)よりもそれを包んでいる皮(筋膜)が発痛します。 また外側の膜(筋外膜)以外にも筋周膜というのがあります。 これは中身の肉が何本ものチューブが寄り合わさってできていて、 それぞれのチューブを包む膜だと考えて下さい。 この筋周膜も発痛します。 一つの硬結の中に指を差し入れて、その中で硬いものに指が当たり、 それが「そこ!」と応えるようでしたらそこも感作されていると考えます。 次に、腱とは筋肉の端の部分が骨につく際に硬いコラーゲン状の線維に変わる部分です。 有名なのがアキレス腱ですね。 腱鞘炎ではこの腱自体が発痛します。 これらの部分を押した時に痛いけれども気持ちいい、他の場所へ痛みが広がる(関連痛)、 鍼や注射を打たれるとズンとするなどがあれば感作されていると考えます。 |
トリガーポイントは過敏化した(感作された)受容器ですが、 その受容器とは何でしょうか? 様々な感覚や刺激を受け取り、伝えるのが受容器で色々と種類があります。 その中でも痛みに関して関係があるのがポリモーダル受容器と高閾値機械受容器だと思います。 そしてトリガーポイントの成因としてそれぞれを挙げる説がありまだ結論は出ていません。 過敏化した受容器に触られると、それが適切な強さであれば「痛いけれど気持ちいい」 という感覚があります。 逆に同じ部位を触っても過敏化していなければ「触られている」という触覚しか生じません。 そこを強く押せば不愉快な痛み(侵害痛)があります。 ただ不愉快な痛みのみがある場所は感作部位ではないので押したりしても仕方ありません。 むしろ正常な組織を傷つけることで新たな筋硬結を作り出す可能性もあります。 ですから基本は痛気持ちいいところを、痛気持ちいいかそれより少し強い位に押圧することが原則です。 その中で「私の痛いところに触られた」「私の痛いのはそれ!」と認識できるところに指や 鍼(針)が当たれば最高です。 そこを我々は責任トリガーポイント(発痛部)と呼んでいます。 |
トリガーポイントとは感作部位のことです。 感作とは「過敏になる」ということです。 どこが過敏になるかといえば「受容器」という、感覚を神経に伝える小さなたんぱく質です。 そこが電気信号を神経に伝え「痛い」と脳が感じるのです。 受容器は筋膜や腱・靱帯などに存在し、そこが痛みを発することで 腰や首、膝や肘などの運動器に痛みを感じるのです。 これらが長い間「椎間板ヘルニア」「変形性関節症」などと診断されてきました。 |
ローザンヌ国際バレエコンクールで高校2年生菅井円加さんが優勝しましたね。 本当にすごいことです。 しかしこのような華やかな出来事の陰で本当に多くのバレエダンサーが怪我や故障に悩まされ、中には踊ることを断念する方もおられます。 昨年「三角骨障害」と診断をされた少女の施術をする機会がありました。 「三角骨障害」とは足首の距骨という骨に先天的、あるいは後天的にでっぱりが生じ そこが段々と大きくなったり、やがて分離して骨片となってしまい痛みや運動制限が発生するという概念の障害です。 色々お話を聞くうちにバレエにおける筋肉の使い方が通常一般人が使うような 解剖学的な使い方とは異なるということを知りました。 例えば足関節の底屈といって足首を下に向けるような動きの時に、 通常なら腓腹筋やヒラメ筋といった筋肉を主に使うのですが、 バレエにおいてはなるべくその筋肉は使わないようにするのです。 その代わりにその奥にある指を曲げる筋肉などを使って底屈するのです。 トリガーポイント鍼療法においてはどの筋肉が原因となっているかを特定するために、 「この動作をするためにはこの筋肉を使う、だからこの筋肉が怪しい」 と考えていくのですが、そのパターンが通常と異なるので苦労しました。 そのバレエダンサー独特の体の使い方を勉強するためにAODTという団体の主催する、 バレエにおける解剖学を勉強するための「ダンス教師及び治療師の合同セミナー」に参加しました。 その結果罹患筋も特定でき、また正しい動きをするためのトレーニング法なども その少女の親御さんとも一緒に勉強し、その子は快方に向かいました。 「三角骨障害」と診断されバレエを諦めようとしている方でも筋肉や腱を治療することで改善することも大変多いと思いますので、バレエを諦めたり手術をする前に筋肉や腱に対する施術をお受けになられたら如何でしょうか? また施術師の方でバレエダンサーの施術に興味のある方は「AODT」のセミナーを受講することをおすすめします。通常の体の使い方とは大きく異なるのでバレエにおける解剖学がわからないとバレエダンサーの施術は上手くいかないと思います。 【A.O.D.T事務局】 〒359-1131 埼玉県所沢市久米532-8 みむらゆきこエコール・ド・バレエ内 TEL&FAX:04-2994-5115 |
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